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関西支社

平成20年度 第三回新名神高速道路大阪府域 地下水流動対策検討委員会議事録

1.日時

平成21年3月2日(月曜) 13時30分~15時30分

2.場所

メルパルク大阪 5階「コムナーレ」

3.出席者

委員長
西垣 誠(岡山大学大学院 環境学研究科 教授)
委員
青木 一男(大阪工業大学 工学部環境工学科 教授)
委員
谷口 真人(大学共同利用機関法人 総合地球環境学研究所 教授)欠席
委員
小松 満(岡山大学大学院 環境学研究科 助教)
委員
小山 倫史(京都大学大学院 工学研究科 研究員)
関係行政
井出 仁雄(大阪府都市整備部 交通道路室 道路整備課 参事)
関係行政
竹賀 顯(高槻市 建設部 部長)
関係行政
西田 正博(茨木市 建設部 理事)
関係行政
高 秀雄(豊能町 建設水道部 部長)
関係行政
山田 学(箕面市 都市環境部 部長)
関係行政
真下 照雄(池田市 都市整備部 部長)
NEXCO
北田 正彦(NEXCO西日本関西支社 建設事業部 部長)
NEXCO
田山 聡(NEXCO西日本関西支社 建設事業部建設グループ グループリーダー)
NEXCO
浦 啓之(NEXCO西日本関西支社 建設事業部建設グループ サブリーダー)
NEXCO
松田 寛治(NEXCO西日本関西支社 大阪工事事務所 所長)
NEXCO
佐藤 律朗(NEXCO西日本関西支社 大阪工事事務所 副所長)
NEXCO
根井 靖彦(NEXCO西日本関西支社 大阪工事事務所 技術課長)
NEXCO
紙田 直充(NEXCO西日本関西支社 大阪工事事務所 高槻東工事長)
NEXCO
上田 武志(NEXCO西日本関西支社 大阪工事事務所 高槻西工事長)
NEXCO
徳田 逸夫(NEXCO西日本関西支社 大阪工事事務所 茨木東工事長)
NEXCO
池 聖(NEXCO西日本関西支社 大阪工事事務所 茨木西工事長)
NEXCO
池内 泰文(NEXCO西日本関西支社 大阪工事事務所 箕面工事長)
事務局
相葉 忠一(NEXCO西日本エンジニアリング関西 道路技術部 部長)
事務局
上出 定幸(NEXCO西日本エンジニアリング関西 道路技術部 技術顧問)

4.議事次第

(1)開会
(2)出席者紹介
(3)NEXCO西日本挨拶
(4)委員長挨拶
(5)議事
1)新名神高速道路大阪府域の事業進捗状況について 
2)地下水流動対策に関する現在までの検討内容等について 
3)地下水流動対策検討に関する今後の進め方について
(6)閉会

5.議事

1)新名神高速道路大阪府域の事業進捗状況について
NEXCOから【資料-1  (92KB)PDFファイルを開きます】に基づき報告を行った。
  • 現在、トンネル区間である豊能町域及び池田市域を除いた、高槻市域、茨木市域及び箕面市域で用地買収に向けた作業を進めており、平成21年2月末現在、高槻~府県境間全体で、完成形での地元設計協議が約76%(連絡路含む)、用地境界となる幅杭の配置が約60%完了(連絡路含む)している。来年度から、用地買収に本格的に着手する予定である。
2)地下水流動対策に関する現在までの検討内容等について
NEXCOから【資料-2 (4,927KB)PDFファイルを開きます】に基づき説明・報告を行った。
  • 前半で地下水流動解析の流れと概要を説明したのち、後半他のトンネルに先駆けて実施した「原萩谷トンネル(仮称)」の3次元浸透流解析による地下水流動解析の中間結果の報告を行うものとする。
3)地下水流動対策検討に関する今後の進め方
NEXCOから説明。
  • 「原萩谷トンネル(仮称)」については、電気探査やボーリング調査等の第二次地質調査を平成21年度実施し、その結果を使用して再解析を行う。この解析結果及び過去の事例等も参考にして、平成23年度までに対策工を策定する予定である。
  • 他の4本のトンネル及び切土1箇所についても、平成21年度から平成23年度に掛けて順次、地下水解析及び対策検討を行っていく予定である。

6.主な討議内容

行政A
「原萩谷トンネル(仮称)」の解析で、これだけ地下水位が下がるとの結果だが、トンネルが破砕帯を通過した場合どうなるのか?
NEXCO
今回の「原萩谷トンネル(仮称)」の解析でも、破砕帯と想定した部分を13箇所通過するという条件で解析を行っている。弾性波探査の結果だけでは、破砕帯の傾斜状況等は把握出来ないため、今後電気探査やボーリング調査等の第二次地質調査を行い、その結果に基づき精査する予定である。
委員A
破砕帯の位置・規模は、既往調査の結果等で推定されている。今後の調査で、破砕帯の位置や傾斜角度などを明らかにしないと、より現実的な予測結果が得られない。
行政A
箕面市の場合、先の国道423号バイパス(箕面グリーンロード)のトンネル工事で、「箕面の滝」の水量が大きく減水した。市民から自然環境に対する厳しい意見もいただいており、議会でも話題になっている。「ため池に水が溜まらない」、「のり面崩壊が起こっている」などの事象全てがトンネル工事によるものとは言えないが、箕面市としては、今の状態が受忍の限界と考えてほしい。環境対策を含めた対応を十分検討していただきたい。
NEXCO
地元住民の方々、行政の方々のご心情、ご懸念十分に賜りました。今後とも行政の皆さんとよくご相談させていただきながら対応して参りますので、ご協力よろしくお願いいたします。
委員B
解析モデルの妥当性の評価について、基底流量の実測値で検証されているが、どこまで現況を反映しているか、地表の基底流量だけでは十分ではないと思われる。
NEXCO
今後、電気探査やボーリング、観測孔設置による地下水位確認等を行い、解析モデルの精度向上に努める予定である。
委員A
今回、平成19年の降雨量を平水年のデータとして解析しているが、平成6年のような渇水年の時にはもっと強く影響が出るかもしれない。今後、検討するのか?
NEXCO
検討する。
委員C
基底流量だけでなく、今後トンネルを掘っていく過程で分かることもあると思うが、それらのデータを今後の解析に活かしていく考えはあるか?
NEXCO
対応可能なものは活用したい。
委員A
トンネルを掘っていく時に、前方探査などを行い、そのデータを対策や解析に活かしていくような柔軟な対応が可能か?
NEXCO
解析に活かすことは工事工程的に難しい面もあると思うが、対策を実施するうえで、水平ボーリング等により掘削前に岩盤状況を確認するような対応は、今後検討していくこととする。 
行政B
トンネル掘削により、地下水位が低下した場合、どのような対策をされるのか?例えば、植生への影響や生態系への影響に関する対応の仕方は、どのように考えているのか?
東畦野トンネル(仮称)の上にはゴルフ場があるが、芝等に影響が出てきた場合はどうするのか?
委員A
今回の委員会は、地下水の解析結果の報告である。植生や生態系への影響・対策は、「自然環境保全検討委員会」へデータを渡して検討してもらうことになると思う。
NEXCO
トンネル掘削に伴う基底流量の減少等が、地表の植生や生態系へどのような影響を与えるのかについては、今後の検討課題である。委員長のお言葉のとおり、今後「自然環境保全検討委員会」での審議なども踏まえて検討していくこととする。
委員A
破砕帯について、グラウト注入など適切な処理をすれば、地表の水(沢水等)はそれほど下がらないかもしれない。また地下水の分布は単純なものではなく、帯水層は何層もあるかも知れない。観測孔を設けて、地下水の状況把握に努めていただきたい。
NEXCO
今後、地下水の状況を把握するための調査・観測を行う予定である。
委員B
トンネルを掘りながら、色々な情報が得られるので、解析へフィードバックさせることが重要と思う。掘りながらモニタリングして、次の解析・予測に反映することが正確な予測に繋がる。 
NEXCO
確かに、事前の調査だけで地山の状況を完璧に把握することは困難であり、最新の解析手法を使用した解析結果であっても、実際のトンネル掘削によるによる地下水への影響量とは差異が生じる可能性はある。その意味から、トンネル掘削中のデータをフィードバックさせることは有効と思う。ただ、工事工程上、再度解析を実施することは難しいかもしれない。どちらかというと、対策工の検証を行うことに利用することになるのではと考える。
行政A
八王子の圏央道のトンネルは、高水圧で苦労されたと聞いているが、新名神大阪府域のトンネルはどうか?
NEXCO
多分、圏央道 八王子城跡トンネルのことと思われるが、このトンネルは特殊な止水工法で施工されており、トンネル内に水を引き込まないよう掘削・覆工したことから高水圧に苦労したものと思う。通常は、排水工法で施工するため、適切な排水処理等を行えば問題はないものと考える。水圧だけなら、八王子城跡トンネルよりも水圧が高いトンネルは存在すると思われる。
行政C
今回は「原萩谷トンネル(仮称)」の解析結果の中間報告ということだが、対策としてはどのような事を考えているのか?他のトンネルも同じような結果になるのか?
NEXCO
「原萩谷トンネル(仮称)」については、中間報告としてこのような結果が出たが、山によって地盤状況は異なるので、今後解析する他のトンネルも全て同じような結果になるかどうかは分からない。また今回の「原萩谷トンネル(仮称)」の解析結果も、今後行う電気探査やボーリング調査等の第二次地質調査の結果により再解析する予定であり、最終予測結果ではないことを了解いただきたい。
地下水位低下による周辺利水環境に対する対策としては、トンネル湧水を返水することが一般的には多いようだ。生活用水などでは、新設井戸等による代替水源で対応する場合もあるが、農業用水は使用量が大きいため、やはりトンネル湧水を返水することが基本的な対応になるのではと考える。その他、トンネル側での対応策として、地下水位を下げないよう止水工法で施工する手法もある。対策については、ケースバイケースでの対応になる。
委員A
対策として、トンネル湧水の返水が一般的とのことですが、水質に問題ないか検討されているか?
NEXCO
自然由来の重金属のことだと思いますが、現時点ではまだ検討しておりません。トンネルの湧水は元々自然の水ですので、農業用水として使用するような場合は、特段配慮すべき問題はないと現時点では考えているが、現在「土壌汚染対策法」の見直しが進められており、来年度には自然由来重金属に関する項目も記載されると聞いているので、その内容も見たうえで判断したい。
今年度、既存ボーリングコア(主に土工・橋梁部)を使用した自然由来重金属の溶出量及び含有量の試験を行った結果では、箕面市域の一部地区等で基準値を超える砒素等を確認はしている。ただ、トンネル湧水にどの程度の濃度で検出されるかは、現時点では分からない。
委員A
今後トンネル部の地下水位観測のため観測孔を設けられると思うが、その観測孔から採取した水で、自然由来重金属の試験を行わないのか?
NEXCO
実施する予定である。
行政D
地元は、水の問題を大変心配している。仮に対策工が実施された場合、損失補償基準で補償期間が30年間となっていることは十分認識しているが、地元にとっては未来永劫続く問題であり納得出来ないとの話も聞いている。
行政E
資料において、今後の解析や対策工検討のスケジュールを示すべきだと考える。
委員A
今回の「原萩谷トンネル(仮称)」の解析結果は「中間報告」である旨、もう少し分かり易く資料に明示されてはどうか。また、資料P.29の「4.今後の進め方」の項において、解析作業と対策工検討に関する大まかなスケジュールを記載された方が良い。あと資料P.11のフローチャートも、それらに合わせた形で修正されたい。
NEXCO
公開する資料については、ご助言を反映したものとさせていただきます。
以上